あのジャック・ウェルチにも絶賛された、日本を代表する辣腕経営者、金川千尋が、その経営哲学とノウハウを明らかにした注目の1冊。金川社長率いる信越化学工業は、この不況の最中に七期連続最高益更新、東洋経済新報社による2002年のカンパニー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた実力派企業で、2002年現在、化学部門では世界4位の地位を占めている。
約200ページの薄い本で、金川社長の経営に対する考え方が淡々と語られているが、その考え方はユニークである。奇をてらったようなものは一切ないが、このように長期にわたって利益を出し続けるための堅実な経営哲学を実践している経営者は、世界広しと言えど、そう多くはないだろう。
「株式会社の経営者にとって、ボスは株主だけ」「『従業員は使用人だ』と、経営者は堂々と言わなければいけない」といった欧米風の考え方が登場したかと思えば、「キャッシュはむやみに投資しない」「熱狂の中でも冷静に判断し、先のことに対して常に備える」などと、極めて慎重な姿勢をのぞかせる。また、「オールドエコノミーを切り捨てない」といったユニークな主張も読ませてくれる。いずれの考え方も、合理的で非常に説得力があり、この不況下になぜ信越化学工業が一人勝ちしているのか、その理由がわかるような気がする。
「贅沢をしたくて仕事をしているわけではなく、会社をよくすることそのものが生きがい」と語る金川社長は、まさにジェームズ・C・コリンズ著『ビジョナリーカンパニー 2』で示された「第5水準の経営者」である。本書は、事業への情熱をどう経営で表現するか、その実践方法を示した1冊と言えるかもしれない。(土井英司)
タイトルどおりの本です
(2008-01-04)
会社の再建を担って取り組んだこと、社長として、業績を伸ばすために行ったことなど、淡々と述べられている本です。
体を張って陋習(ろうしゅう)を打ち壊し、会社を再建していった様子がよく分かります。著者である社長は、腹の据わった方だろうと思う。
「リーダーは体を張らなければなりません。身を守るつもりでは、改革などできはしないのです。」
「改革を行うベースが常識を疑うことであり、改革の障害になることは、習慣を無批判に正しいと思う、思いこみである。」
など、不況を切り抜け、勝負に勝ってきた会社の経営者の経営哲学が読み取れます。
奇をてらうようなタイトルや書き方がなされていないので、書評を書いた人全員が★4つになっていますが、中身は、すごいです。タイトルや書き方ですぐ5つ★だと思います。
カリスマ感じます
(2004-01-14)
著者は知るひとぞ知る信越化学の社長。
この不況下、しかも化学業界と言う
決して舵取りが容易ではない業界において
7期連続最高益更新など、脅威のリーダーシップを
発揮している背景となっている人柄、信念が読み取れます。
化学業界のこぼれ話、信越化学の成長経緯なども随所に
語られているので、業界知識を得るのにも
軽く読み物として読めるので、良い勉強になります。
稼ぐ社長ランキング4位
(2003-02-27)
『日経ビジネス』2/17号「稼ぐ社長ランキング」で4位となった金川社長は、もうすぐ77歳だが、とてもパワフルだ。実戦で鍛えた合理的でシビアな経営論は、決して特別なものではなく、経営者であれば、多かれ少なかれ同じようなことを考えていることだろう。つまり、本当に「当たり前のこと」が書いてあるのだ。経営とは、変革のリーダーシップを実践すること、これにつきる。ゴーンの『ルネッサンス』や三枝匡の一連の著作も併せて読めば、その意味するところが腑に落ちるだろう。
株主として
(2002-12-15)
株主としてこの企業の経営者には興味を持っていました。この不況の中、連続7期最高益更新するなど考えがたい力を発揮する経営者の考え方はいかなるものかわずかながら理解できた気がします。本書に記載されている以上に金川社長の経営に対する考え方は厳しいと思いますが。
書いてあることは非常にわかりやすいのですが、実際それらのことを行動に移すのは非常に難しいものです。今後もこの会社には期待したいです。
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